
賃貸物件に住んでいて、突然給湯器が壊れてしまった経験はありませんか?
冬場にお風呂に入れない、シャワーが使えないというのは本当につらいですよね。
しかも修理に時間がかかると、何日もお湯のない生活を強いられることになります。
そんな時、「家賃って減額してもらえないのかな?」と思うのは自然なことだと思うんです。
実は、2020年の民法改正によって、給湯器が使えない場合の家賃減額については、以前よりも明確なルールができたんですね。
この記事では、給湯器が使えない時の家賃減額について、法的な根拠から具体的な計算方法まで、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
きっと、「こんな権利があったんだ」と知ることで、もしもの時に冷静に対応できるようになりますよ。
給湯器が使えない時は家賃を減額できる可能性があります

結論から言うと、給湯器が故障してお風呂が使えなくなった場合、あなたに過失がなければ家賃を減額できる可能性が高いんです。
これは、2020年4月に施行された改正民法611条に基づくもので、以前のように「大家さんの善意次第」ではなくなったんですね。
法律上、当然に減額されるという扱いになったことが大きなポイントなんです。
もちろん、どんな場合でも減額されるわけではないですし、金額も状況によって変わってきます。
でも、「生活に必要な設備が使えないのに、同じ家賃を払い続けるのはおかしい」という当たり前の感覚が、法律でも認められているということなんですね。
なぜ給湯器が使えないと家賃が減額されるのか

改正民法611条が根拠になっています
家賃減額の根拠となるのが、改正民法611条1項なんです。
この法律では、「賃借物の一部が減失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて減額される」と規定されているとされています。
つまり、借りている部屋の一部が使えなくなったら、使えない分だけ家賃も下がるという考え方なんですね。
給湯器が故障してお風呂が使えないという状態は、まさにこの「使用及び収益をすることができなくなった」に該当するんです。
「当然減額」という新しい考え方
改正前の民法では、入居者さんが大家さんに「減額請求」をして初めて減額が検討されるという仕組みでした。
でも改正後は、法律上当然に賃料が減額されると解釈されているんですね。
これって、入居者さんにとってはすごく心強い変化だと思いませんか?
わざわざ請求しなくても、使えなかった分の家賃は本来支払わなくてよいという権利が明確になったんです。
ただし実際には、管理会社や大家さんに連絡して、減額分を調整してもらう必要はありますよね。
減額の対象になるケースとならないケース
気になるのは、「どんな場合に減額対象になるのか」ですよね。
減額対象になりやすい設備トラブルとしては、以下のようなものが挙げられるとされています。
- 電気が使えない
- ガスが使えない
- 水が使えない
- トイレが使えない
- お風呂が使えない(給湯器故障など)
- エアコンが作動しない
- 雨漏りがする
一方で、減額対象外になりやすいケースもあるんです。
例えば、電力会社やガス会社など供給元側の障害が原因の停電や断水の場合は、大家さんの責任ではないので減額対象にならないとされています。
また、入居者さん自身の過失や誤った使い方で壊してしまった場合も、減額は認められないんですね。
あくまで「入居者さんに責任がない」ことが前提になるということを覚えておいてくださいね。
実際にはいくら減額されるの?具体例で見てみましょう

賃料減額ガイドラインという目安があります
「じゃあ、実際にいくら減額されるの?」というのが一番気になるところですよね。
実務では、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会の「貸室設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」がよく使われる指標になっているとされています。
このガイドラインによると、お風呂が使えない場合の減額割合は月額の10%、そして免責日数は3日とされているんですね。
免責日数というのは、修理の手配や代替機器の調達に必要な猶予期間のことなんです。
つまり、給湯器が壊れてから3日間は減額対象にならず、4日目以降から減額が始まるという考え方なんですね。
具体的な計算方法を見てみましょう
実際の減額額は、次のような計算式で求められるとされています。
賃料減額額 = (月額賃料 × 減額割合) ÷ 当月日数 × (使用できなかった日数 - 免責日数)
ちょっと複雑に見えるかもしれませんが、具体例で見ると分かりやすくなりますよ。
ケース1:月額家賃6万円で10日間お風呂が使えなかった場合
例えば、月額家賃6万円の物件で、給湯器が壊れて10日間お風呂が使えなかったとしましょう。
まず、1日あたりの家賃を計算します。
6万円 ÷ 30日 = 2,000円
次に、減額割合10%を掛けます。
2,000円 × 10% = 200円(1日あたりの減額分)
そして、使えなかった日数から免責日数を引いた日数を掛けます。
200円 × (10日 - 3日) = 200円 × 7日 = 1,400円
つまり、この場合の減額額は約1,400円になるんですね。
ケース2:月額家賃8万円で6日間お風呂が使えなかった場合
もう一つ例を見てみましょう。
月額家賃8万円の物件で、6日間お風呂が使えなかったケースです。
8万円 × 10% ÷ 30日 = 約267円(1日あたりの減額分)
267円 × (6日 - 3日) = 267円 × 3日 = 約800円
この場合は、約800円の減額になるんですね。
ケース3:冬場の長期故障で2週間使えなかった場合
もしかしたら、部品の取り寄せなどで修理に時間がかかることもあるかもしれませんね。
例えば月額家賃7万円の物件で、14日間お風呂が使えなかった場合を考えてみましょう。
7万円 × 10% ÷ 30日 = 約233円(1日あたりの減額分)
233円 × (14日 - 3日) = 233円 × 11日 = 約2,563円
2週間も使えないと、さすがに2,500円程度の減額になるんですね。
ただし、これらの金額はあくまで目安であって、契約内容や管理会社の方針によって変わる可能性もあることは知っておいてくださいね。
「毎月の家賃を下げてほしい」とは違うことに注意
ここで大切なポイントがあるんです。
給湯器が壊れたからといって、毎月の家賃を恒常的に下げてもらうという話とは別なんですね。
あくまで「使えなかった期間分」の減額であって、給湯器が修理されて使えるようになれば、元の家賃に戻るということなんです。
たまに「給湯器が古いから家賃を下げてほしい」という要求をされる入居者さんもいるそうなんですが、それは設備が使える以上、減額の対象にはならないとされています。
この違いは理解しておいたほうがいいかもしれませんね。
実際に減額してもらうにはどうすればいい?
まずは管理会社や大家さんへの連絡が第一歩
給湯器が壊れたら、まず何よりも管理会社や大家さんに連絡することが大切ですよね。
故障の状況を伝えて、修理の手配をしてもらうことが最優先です。
その際に、「いつから使えなくなったか」「どんな症状か」をしっかり記録しておくといいですよ。
写真を撮っておくのもおすすめです。
減額についての話し合い方
修理の手配が決まったら、家賃減額についても相談してみましょう。
「民法611条に基づいて、使えなかった期間の家賃を減額していただけますか?」と丁寧に伝えるのがいいかもしれませんね。
多くの管理会社さんは、法律のことを理解していて、適切に対応してくれるはずです。
もし「減額はできません」と言われたら、賃料減額ガイドラインのことや民法611条について説明してみてください。
それでも応じてくれない場合は、消費生活センターや弁護士さんに相談するという方法もありますよ。
記録を残すことの大切さ
トラブルを避けるためにも、記録を残すことは本当に大切なんです。
- いつから使えなくなったか
- いつ管理会社に連絡したか
- いつ修理が完了したか
- 管理会社とのやり取り(メールやLINEのスクリーンショットなど)
これらをしっかり記録しておくと、後で減額額を計算する時にも役立ちますよね。
給湯器が使えない時は遠慮せず権利を主張しましょう
給湯器が故障してお風呂が使えない時、家賃を減額してもらえる権利があることが分かっていただけたでしょうか。
改正民法611条によって、入居者さんに過失がなければ、使えなかった分の家賃は当然に減額されるという考え方が明確になったんですね。
具体的には、お風呂が使えない場合、月額賃料の10%で、免責日数3日を超えた日数分が減額の目安とされています。
金額としては、数百円から数千円程度になることが多いようですが、それでも私たちの正当な権利なんです。
大切なのは、給湯器が壊れたらすぐに管理会社や大家さんに連絡すること、そして使えなかった期間をしっかり記録しておくことですよね。
遠慮する必要はありませんし、「面倒だから」と諦める必要もないんです。
もしあなたが今、給湯器の故障で困っているなら、この記事の内容を参考にして、管理会社さんに相談してみてくださいね。
きっと、適切に対応してもらえるはずです。
そして、これから賃貸物件を借りる時は、契約書に設備故障時の対応について書かれているか、確認しておくといいかもしれませんよ。
私たち入居者にも、知っておくべき権利があるということを、ぜひ覚えておいてくださいね。